健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

秋から冬に 気をつけたいこと!

秋から冬に 気をつけたいこと!

寒い季節に気をつけたい病気

ウイルス感染症
呼吸器の病気
心臓病
関節のトラブル
泌尿器の病気
万病の元・肥満

ウイルス感染症

寒さで体温が下がり、 免疫力が低下します。
ワクチン接種を忘れずに

冬は気温の低下や空気の乾燥により、ウイルスが飛散しやすくなります。また、寒さで体温が下がり、体の免疫力も低下しがちです。猫も体調を崩しやすく、感染症のリスクが高まる季節といえます。
ウイルス感染症のなかには命にかかわる病気もあるので、ワクチン接種を忘れずに受けておきましょう。

呼吸器の病気

空気が乾燥して、鼻やのどのバリア機能も弱まっています

冬に風邪やインフルエンザが流行るのは、空気の乾燥によって、鼻やのどの粘膜のバリア機能が低下し、細菌やウイルスに感染しやすくなるからです。
猫には人のような風邪や季節性インフルエンザはありませんが、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、クラミジア感染症などの「猫風邪」と総称される感染症があります。鼻水やくしゃみ、咳などを伴い、気管支や肺に炎症を起こします。子猫はとくにかかりやすく注意が必要ですが、いずれもワクチンで予防できます。

心臓病

寒暖差が、心臓の大きな負担に。
持病のある猫はとくに注意して!

猫に比較的よく見られる心臓病が、心筋症です。咳、体重減少、呼吸困難などの症状で、発見されることが多いです。完治することはないので、投薬と生活管理で症状をコントロールしていくことになります。
冬場、急に冷え込むと、全身の血管が収縮して血圧が上昇し、心臓に大きな負担がかかります。心臓に持病があると、急激な症状悪化で急死することもあるので、とくに気温の変化に注意してください。

関節のトラブル

運動不足で筋肉が衰えて、関節を痛めたり、寒さが痛みを引き起こすことも

猫は犬ほど関節のトラブルは多くありませんが、高齢になれば足腰も衰えてきます。とくに寒いときは運動量も減って、筋肉も弱りがちに。そうなると、筋肉が関節をしっかり支えられないため、関節を痛めやすくなります。また、痛みを感じる末梢神経は、寒くなるとより敏感になり、関節の痛みをいっそう悪化させることもあります。

泌尿器の病気

飲水量が減ったり、トイレを我慢したりすると、発症のリスクが高まります

猫は、膀胱炎や尿路結石などの泌尿器系の病気にかかりやすいですが、飲水量が減る冬は、さらに注意が必要です。猫がいつでも自由に飲めるように、複数の水を用意してあげましょう。尿路結石は食事内容が大きく影響するので、ミネラル量が適切に調整された、品質の良いフードを与えることも大切です。
また、冬は部屋を閉め切ることが多く、猫が自由にトイレに行けなかったり、トイレの設置場所が寒くて、トイレに行くのをためらったり…と、排尿をがまんして膀胱炎になることも。猫が気持ちよく排尿できる環境を整えてください。

万病の元肥満

肥満は様々な生活習慣病の引き金になります

冬は寒さから体を守るために、脂肪を蓄えやすくなります。また、猫は寒さが苦手なので、じっとしていることが増え、運動不足から肥満の原因に。肥満は、心臓病、関節疾患、糖尿病など様々な生活習慣病を引き起こす健康の大敵です。体重管理をしっかりと。