健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

長生きのために、みんなはどうしてる?

長生きのために、みんなはどうしてる?

今回は、カフェ常連のお客様&わんちゃんたちに集まっていただきました!

Deco

Deco
犬のおやつ・ごはん研究家
Deco's Dog Cafeオーナー
2000年、東京・代官山にDeco's Dog Cafeをオープン。カフェを通じてたくさんの様々な犬たちと出会い、飼い主さんに愛犬との暮らしについて相談を受けた経験から、『犬は自分で行き方を決められない』を出版。犬と暮らす上での新常識、新マナー&しつけを提案する。

8歳以上の飼い主さんに聞きました!「食・住・遊の工夫」や、気をつけていることはありますか?

ごまが歩くところは全てコルクマット

14歳まで足腰に不調が出なかったのは、9歳の頃から敷いていたこのマットのおかげかも。他にも筋力アップのために、負担のない程度に坂道をお散歩コースに入れたり、毎晩マッサージをしています。

お散歩はできるだけお友達のわんこと一緒に行くようにしています。
堀内ごまちゃん
14歳・柴犬
目指せ20歳!お母さんの手作りご飯&おやつが大好き。

ドッグダンスで頭を使って楽しくアンチエイジング!

頭を使いながら運動できるというのが魅力。
クルッと回ったり、人の足の間を通り抜けたり。おもちゃなどには興味がないので、ダンスがいい遊びになっていて、アイスも誉められて楽しいみたい。

アイスの理想体重をしっかり把握して、それを維持するように心がけています。体重をオーバーしたときは、焦らずゆっくり減らすことが大切だと思っています。
★理想体重・・・1歳(大型犬は1歳半)時の体重が目安。

最上アイスくん
9歳・Mダックス
ドッグダンスやK9ゲームなど、頭を使う遊びが大得意!

ご飯に野菜を入れてかさ増ししています。

体重管理のために、カロリーをおさえつつも満足感のあるように。食べることが大好きなので、ただ量を減らすのはかわいそうですから。

犬種的に股関節への負担が心配。ナナが滑らないように、階段にはワックスを塗っています。
廣本ナナちゃん
8歳・ゴールデン
いつもニコニコ笑顔。週末は川やプールで泳いでます!

少食が心配で・・・常にフードは3~4種類用意。

昔から少食のハニー。違う種類のフードを混ぜたり、トッピングしたり、たまに野菜スープを作ったり試行錯誤の毎日です。

トリマーとして働いてる経験から、シャンプーはシニアの子にとって疲れる行為なので、体調を見ながらできるだけ回数や時間を減らしてあげたいです。ブラッシングや耳そうじをこまめにやっておくと◎。高齢になると、長時間預かってくれない美容院もありますもんね。

伊藤ハニーちゃん
12歳・トイプードル
お家にはあと小型犬が3頭!毎日にぎやかです。

体重管理はとても大切ですね。

私の愛犬バンズにとってご飯は最大の楽しみです。代謝が落ちて太りやすいシニアだからと、量を減らしてはかわいそう。そこで、7歳頃から高たんぱく低脂肪の食材が中心の食事に。おかげで11歳の今でもベスト体重を維持しています。

「うちの子も年をとってきたかな・・・」と感じたのはどんな時?

後ろ足がすべって、ちゃんと立てなかった。堀内ごまちゃん

14歳になってから、後ろ足が踏ん張れず、すべって立ちにくそうにしていることがありました。それ以来、階段などは危ないので必ず抱っこしてのぼるようにしてます。
あとは、トイレに行きたくなったらいつも鳴いて教えてくれるのに、失敗してしまったとき。トイレに連れていく回数を増やそうと思いました。

顔が白くなってきました。最上アイスくん

クリームの毛色なのであまり目立ちませんが、顔に白い毛が増えてきたと思います。
ドッグダンスやトレーニングを若い時からしているのですが、最近は動きが遅くなって、普通にできていたことも時間がかかるようになってきたかも。

同じものをたべているのに、体重が増えやすくなった。廣本ナナちゃん

小さい頃から体重コントロールには気をつけていたんですが、年をとってから体重が減りにくくなりました。
また、夏はあまり外に出たがらなくなりました。朝と晩に用を足すために外へ出ますが、昼は我慢してしまうので、膀胱炎になるんじゃないかと心配・・・。

わがままになってきたみたい。伊藤ふうくん

我慢ができなくなってきて、「ちょっと待っててね」がきかないように。チワワのふうは段差から落ちたりといった事故が心配なので、いつも目が離せない状態です。家の中ではいつも抱っこキャリーで抱っこ。どうしても手が離せない時はカートに入れてフタを閉め、行動範囲を制限しています。

他にも色々工夫しています♪

良い関係性になってきた、今の時期を楽しみましょう。

バンズは今年11歳。顔には白髪が増え、寝ている時間も長くなりました。一方で、家で一緒にのんびりすることが多くなったせいか、意思の疎通が以前より図れるように。良い関係性が築けるようになった今、暮らしがさらに充実したような気がします。

「これってどうしたらいいの?」獣医師さんに聞いてみました!

座談会の参加者の方からいただいた、高齢期の愛犬と暮らす中での素朴な疑問を、獣医師の先生に答えてもらいました!

Q.私たちがテレビを見たり食事をしている時に、前足を舐めることが多くなってきました。
A.執拗に体を舐めるなど愛犬がいつもと違う行動をしている時は、病院で検査して問題がなければ、精神的な所によるものでしょう。飼い主さんと遊ぶ機会が減ってないか?生活環境が急激に変わっていないか?など、ストレスの要因がないか考えてみてあげてください。

Q.痴呆や股関節の障害には、どういう対策がありますか?
A.
●痴呆予防
・・・日常生活で適度な刺激を与えてあげて。(友達犬と合う機会を増やす、散歩コースを変えるなど)病院でサプリを相談するのも◎。
●股関節の病気予防・・・床にマットを敷くのが有効。乾燥によって滑りやすくなった肉球には、クリームを塗って潤すことで滑りを改善できることも。

年をとれば、若い頃と違う行動が出てきたり、体が衰えてくるのは当然。
そのことを理解してあげて、愛犬が安心して落ち着ける環境をつくってあげてくださいね。

愛犬との毎日を楽しく暮らすために。

家族の一員である愛犬の健康に気を配る飼い主さんが増え、犬の寿命は飛躍的に延びています。小さな不調を見逃さずすぐに動物病院に連れて行ったり、定期的に健康診断を受けているという方が多いのも大きな理由でしょう。一方、内臓は丈夫でも足腰が弱って散歩に行かなくなり、気づいたら寝たきりに・・・という最悪の例も。
大切なのは体全体のバランスを考えて上手に年を取らせること。代謝が落ち痩せにくくなったらダイエットフードに切り替え、ゆっくりでも長めに散歩をして足腰を鍛えます。家の中ではマットを敷いたり段差をなくしたり、ケガを未然に防ぐ工夫も必要です。そして、それまでの年月が培った信頼関係を大切に、日々を楽しく暮らすことこそ高齢犬との上手な付き合い方といえるでしょう。