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定期的なワクチン接種で、愛犬・愛猫の危険な感染症を防ぎましょう!

必読!ワクチン講座 定期的なワクチン接種で、愛犬・愛猫の危険な感染症を防ぎましょう!

ワクチン接種によって作られる免疫は一生続くものではありません。成犬・成猫になっても継続して受けてください。
ワクチン接種で予防できる病気 犬
  • 原因
  • 感染経路
  • 症状
ジステンバー

ジステンパーウイルスによって感染し、うつりやすく死亡率も高い、犬の代表的な病気です。

空気感染と感染した病犬から直接うつる場合があります。

子犬での発生が最も多く、感染すると発熱や食欲消失、膿性の鼻汁、目ヤニといった初期の症状から、呼吸器系、消化器系に広がり、激しい咳や下痢、脱水などの症状が現れ、てんかん様発作、後躯麻痺等の神経症状を示し、衰弱死してしまいます。

犬コロナウイルス

犬コロナウイルスによる伝染病です。

このウイルスは感染犬の便や尿に放出され、経口感染します。

子犬の場合は、嘔吐と中~重度の水様性下痢を引き起こします。潜伏期は1~2日で、軽い胃腸炎の症状の後、多くは回復します。

レプトスラピ症

レプトスピラ症は、犬だけでなく他の動物や人にも感染の可能性のある伝染病で、細長いらせん状の細菌であるスピロヘータによって起こります。

病原菌は尿中に排泄され、病犬の尿と接触することにより感染。ネズミの尿も感染源になります。

レプトスピラ症には3タイプあり、黄疸出血型では、黄疸の他に嘔吐、下痢、歯茎からの出血、血便などがみられます。カニコーラ型は、嘔吐、下痢による脱水症状、体温の低下などがあり、手当てが遅れると尿毒症を起こし死に至ります。ヘブドマディス型は、腎炎と肝炎を併発することもあり死亡率の高い病気。最近はヘブドマディス型を予防できるワクチンも用意されています。

アデノウイルス症、アデノウイルス2型症

犬アデノウイルスには1型と2型の2種類があります。

1型は感染犬の唾液や便、尿などから感染。2型は感染犬との接触、咳やクシャミなどの飛沫から感染します。

1型は、子犬の突然死(感染して一晩で死亡する場合があります)や、発熱、元気消失、食欲消失、嘔吐、下痢、扁桃腺の腫れ、目(角膜)の白濁といった犬伝染性肝炎の症状を起こします。2型は、肺炎や扁桃炎など呼吸器病を引き起こします。現在2型のワクチンで1型の犬伝染性肝炎も予防できることから、2型ウイルスによるワクチンが主に用いられています。

パルポウイルス感染症

パルボ(極小という意味)ウイルスによる急性伝染病で、1979年にアメリカで発見され、その後世界中に広まりました。犬パルボウイルスはチリやほこりに混じって長期間生存する、たいへん抵抗性の強いウイルスです。

感染犬の嘔吐物や便などから感染します。

母犬譲りの免疫のない子犬が突然死してしまう心筋型と、激しい下痢や嘔吐を特徴とする腸炎型があります。子犬の場合は、とくに症状が重く死亡率も高いので、注意が必要です。

犬パラインフルエンザ

犬パラインフルエンザウイルスは、単独での感染症よりも犬アデノウイルス2型、犬アデノウイルス1型、ボルデテラ、マイコプラズマなどいろいろなウイルスや細菌と混合感染して、気管支炎や肺炎、または一般に「ケンネルコフ」と呼ばれる呼吸器系疾患を起こすものとして知られています。

伝染力が非常に強く、病犬との接触や、咳やクシャミなどから空気感染を起こすこともあります。

気管、気管支、肺に炎症を起こし、激しい咳が特徴です。

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