爪とぎの不思議に迫る
猫の爪とぎを知ろう!
教えてくれたのは…
クウ動物病院 勤務 田中 玲子さん
2歳~13歳の5頭の猫と暮らす愛猫家。
愛猫のサスケちゃん13歳MIX
猫はどうして爪とぎするの?
1.古い爪をはがすため
猫の爪は何層にもなっていて、爪とぎをすることで外側の古い爪が剥がれ、新しい爪が現れます。爪とぎは爪の新陳代謝を促すために、とても大切な習性なんです。
よく爪とぎや床などに落ちている爪の『さや』。
2.マーキングをしたいから
多頭飼育の場合は特に、自分のニオイをつけて縄張りをアピールするために、爪とぎをする場合もあります。また、爪跡は視覚的なマーキング効果があるとも言われています。
猫の爪は出し入れ自在。
肉球にはフェロモンが出せる臭腺がります。
3.ストレス発散のため
イライラしたり嫌なことがあると、気分転換のために爪をとぐことも。思いっきり爪とぎができる環境作りは、猫ちゃんのストレスの軽減にもつながります。
古い爪が剥がれるときは痛くないの?
取れるべきものが取れているので痛みはありません。自分で噛んで剥がすこともあります。
シニアになると爪とぎも変えたほうがいいの?
シニアになるとお気に入りの爪とぎへのこだわりが強くなる子も。今まで使っていた爪とぎの使用頻度が少なくなっても、必ず置いてあげましょう。 爪をとぐ力が弱くなる子や爪とぎしなくなる子もいるので、古い爪が剥がれず爪が厚くなったり、伸びすぎて巻いた爪が足裏に刺さる場合があります。心配なときは獣医さんに相談を。
爪とぎをしていたら、爪切りは不要?
爪切りと爪とぎは役割が全く違います。爪切をしておくと、爪がひっかかって怪我をしたり、家具などへの爪とぎ被害を軽減できるメリットがあります。室内飼いやシニア、多頭飼いの子は、定期的に爪切をしてあげてください。 猫ちゃんが嫌がる場合は獣医さんに相談しましょう。
こんな風に爪とぎを使っています!
猫ちゃんの目線に合わせることが大切です。
いつでも爪とぎできるように猫の通り道に置いています。
我が家では猫の動線を意識して様々な場所においています。数も多めに設置することで、困った場所への爪とぎはグンと減りました。
階段を上がってすぐの角に設置。お気に入りスポット♪
起きてすぐできるようにベッドの下、トイレ後にできるよう通り道に置いています。
廊下の角に置いた爪とぎに乗るなつめちゃん。
いろんな種類の爪とぎを試して常に好みを追求。
お気に入りの素材、形の爪とぎを複数設置しています。珍しい形のものを見つけたときにはすぐに試すようにしています。
設置後すぐには使わなくても、置き続けているとある日突然使い出すことも。気長に猫のタイミングを待つことも大切だと思います。
(ペピイ2017年秋冬号掲載)