このコどんなコ

第3回 ハンガリアン・ヴィズラ

どちらかというと長毛種、それも「今、ごみ漁ってきました〜。」みたいなボッサボサな感じが好みのマルヤマとしては、スムースヘアのヴィズラは全くノーマークでした。 無駄のないすっきりとした、ちょっといかついともいえる風貌は、どちらかというと男性好みに思えました。しかし、よーく知ってみると、なかなかステキなワンなのです。

ハンガリア・ヴィズラは世界で最も古い猟犬のひとつだと言われています。およそ1000年前の石に彫られた彫刻には、ハンガリーの主要民族であるマジャール人と彼の飼っているハヤブサ、そしてビズラの姿が描かれています。

当時、遊牧民であったマジャール人は、カルパチアの盆地をさまよっていました。家畜を飼い、狩猟もする彼らは、よき家族となり、かつ狩猟もできるイヌを作ろうとしました。獲物を見つけ、ポイントし、レトリーブし、大きな手負いの獲物を攻撃することもできるコンパニオンドッグを、です。そして、13世紀ころまでには、美しい黄金色のヴィズラが完成しました。フィールドでもコンパニオンドッグとしても活躍できるイヌとして、認知されていたようです。
しかし、ヴィズラという名前が定着したのは16世紀頃からで、当初は「イエロー・ポインター」という名で、その後しばらくは「ハンガリアン・ポインター」と呼ばれていたようです。

何世紀にも渡って、その純血性を保たれてきたヴィズラですが、祖先にはアジアの猟犬の血が入っていると言われています。

ハンガリアン・ヴィズラは世界でもっとも多彩な才能を持つイヌのひとつでもあります。AKCでショー、フィールド、オビディエンス(服従)の三冠王に最初に輝いたのはヴィズラです。AKCで三冠王になった純血種のイヌは過去に2頭だけですが、その2頭目もやはりヴィズラだというのですから、その才能はお墨付きですね。

ヴィズラは高地でのポイント、レトリーブにとくに優れています。頭がよく、訓練しやすいので、服従訓練でもその才能を発揮します。美しく構築された姿態は、ショーリングで輝きを見せます。嗅覚がとくに優れていて、追跡も得意です。機敏で走るのも速いので、フライングディスクやアジリティも上手にできます。水泳も大好きです。欧米では、セラピードッグ、盲導犬、聴導犬としても使われています。

性格は快活で、優しく、忠実で、とても愛情深いです。そして、楽しいことが大好きです。彼らはいつも人の側にいることを望み、必要としています。ですから、外の犬小屋で飼うなんてもってのほかです。家族の一員として常に一緒に暮らすことで、彼らの持つ能力と愛情は最大限に引き出されるのです。

さて、実際にあったヴィズラのマールくんは、やはりとってもオトコマエでした。運動能力にすぐれていましたし、多才なワンコなのだろうな?と想像はつきました。でも、一番印象に残ったのはその甘えっぷりです。彼は確かに常に家族の側にいることを『必要として』いました。そんなマールくんのお話は次の次です。


次回はブリタニー・スパニエルについてです。お楽しみに!

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