極楽いぬ生活

ワタシマニア

 近頃のクリオくんときたら、ワタシのことがだ〜い好き!
 いつでもどこでもワタシの気配を感じられるところにいて、起きているときも寝ているときも、いびきをかいていても、ワタシの行動をチェックしている。それはもう、金魚のフンなんてものではなく、背後霊とかストーカーの域だ。何かのテレビCMで「私の趣味はアナタです。」とか言うのがあったけど、今のクーはまさにそれ。暑苦しくてかわいくて迷惑。

 もともとワタシマニアだったのはココアの方だ。強烈な個性とイヌ並みはずれた頭脳を持つ(使い方はともかく)ココアは、一緒に暮らしていても理解しきれない部分がたくさんある。
彼女は自分で考えて行動するタイプのイヌなのだが、それは教えこまれた行動の中から目前の状況に合ったものを選び出す、というものではない。状況を理解し、自分で編み出した全くオリジナルな行動をとるのだ。だから、思いも寄らぬ動きをすることもしばしばで、家族にさえ理解されず、褒められるべきところを叱られたりするのだった。そんな彼女は自分の一番の理解者が誰であるかちゃんとわかっていて、それがワタシだったのだ。「ユーコにくっついていたらダイジョブ。」ココアはいつもワタシとともにあり、他のイヌやヒトに理解されないときはつぶらな瞳でワタシを見上げた。そうすれば、ワタシが彼女の思いを代弁するにちがいないから。

 一方のクーは見かけによらず自立したコで、夜みんなが2階に上がってしまっても、自分がそうしたければひとり朝まで階下で寝ているようなコだった。
 ところが、うらんが旅立ち、ココアとの順位争いも一段落した後、彼に変化が訪れた。今まで見たこともないようなまん丸お目めをキラキラさせ、ふわふわの容姿そのままのとってもスウィ〜トな性格になった。と同時に、ものすごい甘えん坊になり、ワタシマニアが始まった。
 甘い容姿に果てしなく明るい性格と見せかけて、実はピリッと辛口な面を隠し持っているのが、それまでの彼の魅力だったのに。

 なぜだろう?なぜかしら?

 それは私にもはっきりとはわからない。
 でも、おそらく、ワタシが感じていた以上に、ココアもクーもうらんに依存し、甘えていたのだろう。直接触れるとか遊ぶということではなくても、うらんがこの家の中にいること自体が、根っからの妹弟気質のふたりには何よりの安心であり支えだったのだと思う。
そのうらんがいなくなって、手近なところでうらんのかわりになる相手を探した。
それがワタシだったってわけだ。

 クーがワタシマニアになって、ココアはやや引き気味になったけど、引いているがゆえに、より粘っこい光線を相変わらずワタシに送り続けている。机の下や柱の影から。「ユーコ、そんな気?アタシよりクーがいいんや?へ〜、そうなんや。それやったらそれでええねんで、べ・つ・に。」ってね。

 イヌの長女も大変ねと、ヒトの長女は思う初夏。嗚呼。

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このコどんなコ?

プロフィール

マルヤマ ユーコ
イラストレーター
うらんとココアとクリオの姉(自称)
クリオ(愛称クー)
エアデール・テリア
オス♂ 4歳
愛されるために生まれてきた、わが家の末っ子長男。3歳をすぎても相変わらずのお日さま犬ぶり。性格のよさはピカイチ。
ココア
スタンダード・シュナウザー
メス♀ 6歳
何事につけても白黒はっきり、0か100かの極道の妻、いや、犬。3年半を過ぎて、ようやく少し落ち着きを見せはじめた。ただし、家の中限定。実はものすごい頭がいい。でも、使い方を間違うの〜。
うらん
ゴールデンレトリバー
メス♀
2006年1月、お星様になる。やさしくて大らかでちょっとシャイだけど、かなり強気なわが家の長女

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