極楽いぬ生活

イヌ服

 どちらかというとイヌには服を着せない派だった。っていうか、はっきり言って否定的だった。寒がりだとか、手術後で身体を守るためとか、やむをえぬ事情のある場合を除いては、なんで服を着せるのかわからない、イヌはそのままの姿の方がきれいやし、かわいいやん、と思っていた。
 しかし、最近あっけなく寝返った。服を着せる派に。きっかけはココアのトリミング。動く毛玉のようなもさもさのココアは私好みで、見ている分にはとてもチャーミングだったけど、本犬はあまり快適そうじゃないし、おひげはすぐにチーズ臭を発するし、なんだか動きも鈍くなってるし。今後のお手入れをしやすくするためにも、一度思いきってシュナカットにしてもらおうということになった。変身したココアはなかなかかわいらしく、かつ男らしく(メスですけど)、本犬もとても気持ちが良いようで、かつてのバカパワーを取り戻し、走り回り、あらゆることに首をつっこみまくり、クーをチェックしまくり、また、性格もかわいくなった。これ、不思議。が、問題がひとつ…。寒い、のだ。いつもの公園でなにげにぼーっとしていると、プルプル震えているではありませんか。走っているときは大丈夫なんだけど、じっとしてると寒さが身にしみるらしい。そりゃそうだ。毛皮のコート、3枚分くらい脱いだんだもんねぇ。ま、12月末の、これから冬本番ってときに、思いきった私が悪いんだけど、切ったもんはしょうがない。拾ってつけるわけにもいかないしな。
 そんなわけで、寒さ対策に服でも着せるか〜、などとぼんやり考えつつ歩いていたら、目の前にワンコ様のスウェーターが。しかも、私の愛する甥っこのダイゴくんのセーターと色も柄も同じ。ふたりおそろで写真を撮ったら、ココア・マイ・ラブのダイゴは喜ぶだろうなぁ、と思ったときにはすでにレジに並んでいた。色違いも握りしめ。
 家に帰って着せてみると、これがなんともかわいいのだ。もちろん、服を着ていないそのままの姿はかわいい。でも、それとは全く違ったかわいさが、服を着たイヌにはあった。なんて言うのかな、擬人化されたことによるかわいさ?イヌがヒトっぽいっていうおかしさのかわいさ、みたいなものがあった。いとおしい。いずれにせよ、これはニンゲン側の勝手な感じ方、勝手な楽しみで、本犬は、正直、ちょっとテンション下がってた。が、そこはそれ、お散歩に行くときに着せるようにすると、首輪+服=散歩という公式がすぐにできあがり、自ら「服着せて〜。」とやって来るようになった。ちょろい。
 首輪とのコーディネイトも考えたりして、洋服好きの私には新たな楽しみも増えた。今まで参加できなかったイヌ服話にも入れるようになったし、興味のなかったイヌ服のお店情報にも機敏に反応するようになった。イヌ服万歳!
 その後、さらにジャケットを買い足し、「クーとうらんにはないの?ひどー。オニィ〜。」との、金は出さぬが口は出すハハの批難に負けて、泣く泣く同じもののサイズ違いを2枚ご購入。おかげで自分の買い物はお預けだし。その上、うらんにはあまり似合わなかったしー。
 わざわざカットをして、寒がるイヌに服を着せるなんて、本末転倒、ナンセンス、と思う方もいるでしょう。ええ、わかります。実際、私もそうだった。しかーし、カット後はつらつとし、性格までかわいくなったココアを見ていると、その犬種独特のカットには意味があるのかもと思う次第。そして、これからもシュナカットをして、冬には服を着せるわよ〜〜!と、意気込む次第。イヌ服未体験の皆さま、ぜひ一度お宅のワンにも着せてみては?
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このコどんなコ?

プロフィール

マルヤマ ユーコ
イラストレーター
うらんとココアとクリオの姉(自称)
クリオ(愛称クー)
エアデール・テリア
オス♂ 4歳
愛されるために生まれてきた、わが家の末っ子長男。3歳をすぎても相変わらずのお日さま犬ぶり。性格のよさはピカイチ。
ココア
スタンダード・シュナウザー
メス♀ 6歳
何事につけても白黒はっきり、0か100かの極道の妻、いや、犬。3年半を過ぎて、ようやく少し落ち着きを見せはじめた。ただし、家の中限定。実はものすごい頭がいい。でも、使い方を間違うの〜。
うらん
ゴールデンレトリバー
メス♀
2006年1月、お星様になる。やさしくて大らかでちょっとシャイだけど、かなり強気なわが家の長女

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