極楽いぬ生活

オトコのコ?オンナのコ!

 以前、ある作家さんが雑誌のコラムの中でこんなことを書いていた。
人間を含む動物においてオスとメスとの違いはたくさんあるが、決定的な違いは子ども時代の運動量だと思う、と。
このコラムを読んだとき「うーーん、さすが!」とうなってしまった。すばらしい洞察力だ。

 ちょうどその時、わが家には甥っ子のダイゴが遊びにきていた。当時、彼は2歳にも満たなかったが、朝目覚めた瞬間から夜目を閉じる瞬間まで、1秒たりとも休むことなく遊んでいた。そのあまりのタフさに、私たち古くなったオトナは疲れ果てていたところだったのだ。
 今、クーを見ていてもやはりその通りだと思う。彼はもう1歳になるが、遊ぶことに対する積極性は衰えることがなく、イヌの顔を見ては、人の顔を見ては、遊ぼうよと誘ってくる。朝から晩まで絶えまなく、だ。誘い方のレパートリーも豊富だし、新しい遊びを考えだすのもうまい。これに比べると、1歳の頃のうらんは老犬のように落ち着いていた。

 が、ココアだ。彼女を見ていると、その作家さんの眼力にも疑問を持たずにはいられない。子どもの頃の運動量ということで言えば、彼女はまったくオトコだった。クーと比べても全く見劣りしない。今でもそうだ。そこらのオスの子犬よりもずっと運動量が多い。もう3歳だっていうのに!
 
  子ども時代の運度量に限らず、彼女にはメスらしい何かが全くない。
イヌでもオスはオスらしい雰囲気、メスはメスらしい雰囲気を持っていて、たいていは見ただけでオスかメスか判断がつくものだ。
しかし、ココアからはそういった雰囲気は全く出ていない。その証拠に今まで一度も「メスですか?」と聞かれたことがない。赤い首輪をしていても平気で「オスですか?」と言われてしまうのだ。首輪の赤が目に入りつつ、迷った末にあえてそう言ってくれるのだから、よほどオトコらしく見えるのだろう。母もよく「ボクは○○だよね〜。」とココアに話しかけていて、「ワタシやろ。失礼やな。」とつっこみを入れることもしばしばだ。常に一緒にいる飼い主がオスと感じてしまうのだ。初めて出会った他人に彼女がメスであることがわかろうはずがない。

  先日、アメリカにいる妹と電話で話した。
甥っ子のダイゴがますますパワーアップしていること、クーが元気なこと、ココアが衰えていないこと、うらんがおばちゃんなこと、そして、その作家さんのコラムのことを話した。妹もその作家さんの言葉にはとても感心し、納得していた。が、こう言った。
「でも、ココアはオトコやんな。」
さすが妹。わかっているではないの。そして、こう続けた。
「ココアみたいなコを都会の狭いマンションとかで飼ったら、精神的に病んでしまうんやろなぁ。」
「・・・・・人間がな。」
「ブホホホッ!」
電話口で吹き出す音が聞こえた。
「そうなん?」
「そうや。病むのは人間の方やで、アンタ。まだまだ甘いな。」
やはり、飼った者にしかわからないらしい。すてきなココア。
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プロフィール

マルヤマ ユーコ
イラストレーター
うらんとココアとクリオの姉(自称)
クリオ(愛称クー)
エアデール・テリア
オス♂ 4歳
愛されるために生まれてきた、わが家の末っ子長男。3歳をすぎても相変わらずのお日さま犬ぶり。性格のよさはピカイチ。
ココア
スタンダード・シュナウザー
メス♀ 6歳
何事につけても白黒はっきり、0か100かの極道の妻、いや、犬。3年半を過ぎて、ようやく少し落ち着きを見せはじめた。ただし、家の中限定。実はものすごい頭がいい。でも、使い方を間違うの〜。
うらん
ゴールデンレトリバー
メス♀
2006年1月、お星様になる。やさしくて大らかでちょっとシャイだけど、かなり強気なわが家の長女

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